野球場建設問題への取り組みについて

現在、静岡県は浜松市西区篠原町の海岸隣接地へ大型野球場建設計画を進めています。建設されれば、野球場と周辺施設等の夜間照明が子ガメを陸に誘導するため、繁殖地として致命的です。 たとえ、ドーム型球場であっても屋外や周辺施設等のすべての夜間照明を無くすことは不可能であり、産卵地の環境悪化はまぬがれません。
サンクチュアリNPOとサンクチュアリジャパンは、アカウミガメの産卵地を守るため、大型野球場を中心としたスポーツ公園建設計画の見直しを求めます。 また、未来と次世代の子どもたちに生物多様性豊かな自然環境を残すため、自然を生かした海浜植物公園の建設を提案していきます。
そして、アカウミガメの産卵地を守るためには、多くの皆さまの声が必要です。
ぜひ、その声をご署名で示し、この保護活動の後押しをしてください。

代替地がない

ウミガメの泣いている写真

絶滅危惧種で国際的保護動物のアカウミガメの主な産卵地は、北太平洋では日本の太平洋側の海岸だけです。中でも、遠州灘海岸は本州最大の産卵地です。 近年は、日本各地で海岸環境の悪化や砂浜の消失が加速しているため、アカウミガメが産卵し繁殖できる砂浜海岸は貴重であり、その存続と環境の維持は、種の存続に関わります。
野球場には代替地がありますが、砂浜でしか産卵ができないアカウミガメにとって、繁殖地の代替地はありません。野球場の建設で、この貴重な繁殖地を失うことは出来ません。

ウミガメが周回している画像

光の問題

ウミガメの泣いている写真

ドーム球場が建設されると、屋根の高さは60メートルにも及ぶとされ、その電飾光や周辺施設の照明、車、駐車場などの人工光が海岸に漏れ、子ガメを陸に誘導してしまうなどの悪影響を与えます。
蛍光灯、水銀灯、LED灯から出る人工光には、人間の目には明るさとしては見えない波長が短い光(紫外線)が含まれています。日焼けや雪焼けなどを起こす紫外線と同じものですが、子ガメはこの光の強度から海と陸を区別しています。 紫外線が一番強い日中は、海の方が砂浜よりも1.4倍紫外線が強く、人工光の影響がない海岸では、夜間でも海側の紫外線がわずかに強いため、子ガメは海がわかります。
しかし、浜松市では、現在でも人工光の影響で陸側の紫外線が強く、子ガメは陸側に引き寄せられて海に帰れない事態が起きています。球場の照明に限らず、公園を夜間でも使用出来るように照明を用いると、現状を更に悪化させる事は必至で、ウミガメの繁殖地としては致命的です。

実験の画像

建設費が膨大

建設費が膨大

ドーム球場(大型野球場)計画では、球場だけで370億円、公園全体の整備事業は520〜540億円と試算される巨額な税金をつぎ込む案です。県立公園でありながら、特定の人しか使えない、使用頻度が少ない施設となる可能性が高いです。プロ野球の開催も、あっても年1回と見込んでいます。 利用料は、現在の市営浜松球場の10倍ほど高くなる試算です。
このドーム球場を、一体どれだけの市民・県民が利用するのでしょうか。
静岡県は、もとより赤字施設になることを見越してイベントなどを開催して収益を上げようと考えています。しかし、主に野球場としての利用頻度が低いと見込んでいるのならば最初から野球場を建設する必要はなく、巨額な建設費をかけずに、もっと誰もが利用しやすい公園を建設して欲しいと思います。

維持費が膨大

維持費が膨大

静岡県の発表によると巨大ドーム球場の年間維持費は3億円で、30年後の改修費は230億円と試算されています。野球場建設で370億円・年間維持費に3億円・改修費は230億円とすると、30年間で野球場だけで税金の投入額は690億円となります。
野球場だけで、これほど巨額な税金を投入することなど到底容認はできません。特に、少子化が進み人口減少が著しい中、次世代の子どもたちに負担を残すことは目に見えており、負の遺産と言われる施設となることが予測されます。

未来に残したい公園

静岡県は、野球場を中心としたスポーツ公園として、遠州灘海浜公園篠原地区を整備しようとしています。
野球場建設が計画されている浜松市西区篠原町は、アカウミガメの産卵地である遠州灘海岸に隣接しています。
遠州灘海岸は、アカウミガメだけでなく多くの動植物の繁殖地であり、生物多様性豊かな自然海岸です。
そこに隣接した公園は、自然環境に悪影響を与える施設ではなく、未来まで残る自然を生かした公園であって欲しいと考えます。

署名と寄付のお願い

ご署名

サンクチュアリNPOとサンクチュアリジャパンは、アカウミガメの産卵地を守るため、ドーム型野球場を中心としたスポーツ公園建設計画の見直しを求めて、署名活動を開始しました。絶滅危惧種のアカウミガメを守るためには、皆さまのご協力が欠かせません。
アカウミガメは国際保護動物のため、ご署名いただける方の居住地・国籍は問いません。2023年12月末まで集めています。ぜひ、多くの方のご署名をお願いいたします。

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